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家庭教師
「――じゃあな、逢糸。また明日な」
「……うん、またね瀬那くん」
それから、15分ほど経て。
十字路にて、別れの挨拶を交わしそれぞれの帰路に着く僕ら。そして、さらに10分ほど歩くと到着したのは古びた二階建て木造アパート。そして、軋む板金を歩き二階突き当たりの部屋へ到着。その後、鞄から鍵を取り出し鍵穴へ。そして、
「……ただいま」
扉を開き、そう声を掛けるも返事はない。聴こえてない――という可能性もなくはないけど、お世辞にも広い部屋とは言い難い我が家であるからしてその可能性は低いし、何より靴がない。まあ、だからと言って淋しくなるような年齢でもないし……正直、そう思えるほどの愛情もないし。
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