汎愛殿下が私を溺愛するまでの三日間

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 ゼーディス王国にとって、帝国からの花嫁は首輪も同然。  だから陛下は私と一緒にいないことで、国中の人に汎愛を示しているのだ。  実際の陛下のご意向は知らないけれど。彼にとって私はそういう存在のはずだ。  それでいい。私は、帝国から与えられた妻なのだから。  結婚して一年後。  王国のやり方をある程度覚え、最低限の知識を得た私は行動に出た。  帝国から連れてきた使用人達に一人一人に退職金を出し、帝国に手紙を着けて送り返した。姉たちにはしばらく国に来ないようにお願いをした。そして父には、どんな噂があっても陛下には内緒にしていてください、とお願いの手紙をだしたのだ。  私を守る者は全てなくなった。  すると、私の周りにはあっという間に悪意が集まってきた。  帝国を逆恨みする使用人。国王陛下を狙っていた元婚約者候補達。暗殺者、エトセトラ、エトセトラ。  それはまるで、床に落としたクッキーに、アリが群がるような有様だった。  食事の質は落ちていった。部屋の掃除の頻度が減った。  私を世話するメイドの数は減り、廊下で舌打ちをされるようになった。
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