汎愛殿下が私を溺愛するまでの三日間

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 匿名で嫌がらせの手紙が届き、教会で祈れば水をかけられた。  私はあえて、その事態を甘んじて受け入れた。  私に辛くあたってくる人々は、「王国は帝国の理不尽により敗戦した」と思い込んでいる。  理不尽に帝国の傘下に入らされ、これまでの政治を変えさせられ、新国王陛下が城に帰るまもない多忙を強いられている状況だ。  陛下は国民を汎愛しておられる。国民のために、死んで責任から逃げた前国王陛下、その他王族親類の代わりに、必死で、長年にわたる圧制に疲弊した国民達を広く愛そうとしておられる。  お飾りの帝国妻は、卵を投げられる為にある。  私は進んで、皆の嫌われ役、ガス抜きの立場を買って出た。  挙げたように、私に、人々はとても辛く当たった。本当に、それはとても。  けれどそれも半年が過ぎ、国が少しずつ立ち直りかけたころ。  少しずつ、私の周りで私の味方になってくれる人々が現れ始めた。  二年目には、私に嫌がらせをする人がいつの間にかいなくなった。
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