プロローグ

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『‥今夜も厄介なのがいるのかしら』 素顔が知られ面倒くさい事にならないよう狐の御面で隠す そんな姿をした人を見ると皆警戒して近づいて来ることはない それでも近付き絡んでくるのは大体面倒くさい人間だ 夜道を歩いていると遠くから聞こえてくる男の声と涙声の女の声 近付いてみると女1人を5人の男達が取り囲んでいる 「武士である俺達にぶつかってくるなんてどういうつもりだ!」 「申し訳ございません‥っ!!」 「謝って済む問題じゃない!」 男達は見るからに酔っ払いだ 周りは面倒事に巻き込まれたくないが為に見て見ぬふりで誰も助けようとはしない 『‥今日はアイツらか』 男達の元に近付くと気が付いたようでこちらを見る 「何だお前は」 『女子1人に対し男5人でって恥ずかしくないのか』 「何だと?!」 『もう行きなさい』 「ありがとうございます‥!」 よっぽど怖かったようでその場から女性は逃げて行った 「‥てめぇっ!!」 男達はこちらに刀を向ける 「俺達に恥をかかせてただで済むと思うな!」 『‥そんなので怯むと思うか』 強気な事を言った酔っ払いほど弱い者はない 男達は一斉に斬り掛かってくるが‥遅過ぎる 避けられた事に驚いた表情の男達 『‥アンタらみたいなのがいるから、この街はいつまでも治安が悪いんだ』 刀を振り下ろすと次々と血を流し倒れていく男達 奴等が命尽きたのを知っていながら何度も斬り刺し続けた一‥
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