9人が本棚に入れています
本棚に追加
「斎藤、この餓鬼があの氷鬼だというのか」
「はい」
新撰組屯所の蔵には新撰組の幹部が集まり、その中心には縄で手脚を縛られた者がいた
新撰組三番組組長の斎藤一と沖田が巡察中に遭遇した人斬り
彼らはその人斬りを捕らえて屯所に連行してきた
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥
いつも通り夜に街に出ていると、酔った男が1人の男と揉めていた
様子を見ていると、酔った男は突然怒鳴り出すと男に向けて刀を振り下ろした
『‥やめなよ』
男達の元に駆け寄り、酔った男を私は斬った
斬られた男はまだ意識があり、驚いた表情をしていた
「お‥前‥は‥」
『‥氷鬼とでも言っておけばわかるだろう』
その言葉に更に驚いた様子だった
『‥お前らのような酔っ払いはただの害でしかない』
再び刀を振り下ろし、何度も男を斬った
斬った後は男の顔を何度も殴り蹴る
いつもの事だがこんな事をしていても私は何も感じない一‥
暫くしてその場から離れようとした時、酔っ払いと揉めていた男がいなくなっていた事に気が付く
その代わりそこにいたのは浅葱色の隊服を着た2人の男
「‥お前が氷鬼か」
「ねぇ、一君。僕達はこの子がそいつを斬るところも見ているんだし、捕まえて屯所に連れて行こうよ」
1人は真剣な表情なのに、もう1人はどこか楽しそうに笑っている
だがその瞳は一切笑っていなくとても冷たいものだ
「ひとまずその血がついたお面を外そうか」
お面が外され私の顔を見た男達は驚いた様子だった
「まさか‥女子でしかも子供が氷鬼だったなんてね」
「‥抵抗すればここでお前を斬る」
『‥抵抗なんてしない。アンタらに付いて行けばいいんでしょう』
こうして私は新撰組に捕まり、蔵に閉じ込められた
最初のコメントを投稿しよう!