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私が蔵に閉じ込められ暫くすると何人もの男達がやってきた
その男達はこちらを冷たい眼差しで見ている
それはそうだろう‥今まで多くの酔っ払いを滅茶苦茶にして殺したのだから
「それで?お前があの氷鬼か」
『‥‥‥‥』
「てめぇ!自分自身がどのような立場にいるのかわかっているのか?!舐めた真似をしていると女だろうが餓鬼だろうが斬る」
『‥斬ればいい。どうせそのつもりでここに連れてきたのでしょ』
「土方さん、この子もそう言っているんだし斬っちゃいましょうよ。幕府からの命でもあるんだし」
そう言い楽しそうにこちらに刀を向ける男
「総司、勝手な事するんじゃねぇ」
総司と言われた男はどこかつまらなそうだった
「‥お前みたいな餓鬼が何故あんな無惨な事を繰り返す」
土方さんと呼ばれた男が聞いてくる
私はどうせこの人達に殺される
それなら話す必要は全くない
一向に話さない私に男達は苛ついている様子だったが私には関係ない
「おい‥いい加減に‥!!」
「氷鬼を捕まえたのは本当ですか?」
扉が開き誰かが中に入ってきた
聞こえてきた声にどこか聞き覚えがあった
こちらに近付いて来た男を見て思わず驚く
それは向こうも同じでこちらを見て驚いていた
「美琴‥」
『‥敬助兄さん』
「山南さん、コイツと知り合いなのか」
「えぇ。昔、近所に住んでいて家族同士が仲良かったんです」
「そうか‥。山南さん、悪いがコイツから聞き出してほしいことが沢山あるんだ」
「わかりました。美琴とも久し振りに会ったことだしゆっくり話させてもらいます」
そう言って微笑む敬助兄さんは昔から何も変わっていなかった
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