第1章

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蔵から私と敬助兄さん以外みんな出て行った 「美琴、本当に久し振りだね」 『うん。まさか敬助兄さんが新撰組にいるなんて思わなかった』 「私も‥まさかこんな蔵で君と再会することになるとは思わなかったよ」 そう言った敬助兄さんは寂しそうに笑っていた 「美琴、色々聞かせてくれるかい?私達一家と離れてからの事や、氷鬼として人を斬るようになった理由を‥」 『‥私達家族が京に行くことになった理由を覚えている?』 「君のお父さんがお医者さんで、京でお医者さんとして働いていた親友と共に仕事をする為だったよね」 『うん。こっちに来てから父様は親友が勤めていた医院で共に働いていた。親友の人も腕の良いお医者様で有名だったけど、父様はそれ以上に腕が優れていて凄腕のお医者様としてあっという間に有名になったの‥医院は毎日が大忙しで母様も医院の手伝いをしていた。忙しいのに毎日充実したように楽しそうにしている3人が私は誇りだった‥』 仕事が忙しくて一緒に過ごせる時間が少ない日もあったけど‥それでも父様も母様も私にとって誇りで自慢の両親だった 『充実している父様を見てそれをよく思わない人がいた‥父様の弟である叔父。叔父は何かと父様のことを敵対視していた。だから‥京で有名なお医者様になった事も面白くなかったの』 そのせいであの出来事が起きたのだから一‥
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