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「ちょっと。やばいって、やばいって、わかんないの!?」
彼氏の手を取り逃げようとするが足が動かない。彼氏は平然と中に入ろうとする。
「おい!! それこそ不法侵入だってば!!」
逃げ出したい私なんかおかまいなしに入っていく。
「ちょっとぐらいかまわないさぁ」
──かまわなくないんだよ! ほんとあれが見えないあんたは幸せもんだよっ!!──
こんな時の彼氏は男らしいと思ってるのかぐいぐい私を引っ張る。
「靴脱いで上がれば問題ないだろ?」
「だからそんな問題じゃないって! 私、ここだめなんだってば──」
それがニタリと笑いながらゆっくり近づいてくる。
──来る来る来る来る………来るっっ──ちょっと鈍感にもほどありすぎっっ──
バタン!! いきなりドアが閉まった。私はそれと目が合ってる。もしかして私……終わった? これ終わったパターン?
「あれ? ドアが開かない。壊れたかな」
──だから、何呑気に言ってんのよ? 開かないのこれのせいなのよ!! この鈍感がっっ!!──
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