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それは彼氏にまとわりついて来る。彼氏の顔を恐ろしい顔で覗きこむ。
──もしかして、彼氏を恨んでるのこの女!? この鈍感、何やらかしたのよっ??──
私はもう怖くて目が開けられない。ダメダメダメダメッ──
──もう終わった! 私の人生。きっと私も呪い殺されるぅ──
それは彼氏の耳元で何か囁いてる。きっと恨みの言葉だ。あぁ……聞きたくない聞きたくない聞きたくない。ブツブツ言っている。しかしなんでその声が私には聞こえてくんのよっっっ! って──あれ? えっ!?
「ねえ、あの小説の続きはどうなったのよ」
何、言ってるの? この女!?……人かどうか分かんないけど。私! 頭をフル回転させろ。そう言えばこの鈍感の部屋に行った時、恨みの念みたいなものがたくさん感じたものがあった! 小説、小説、小説!?……あっ、あれだっ──
「えっと、あ、あの小説はね……」
ことこまかにあの続きを大声で叫んで女に言い聞かせた。
その声につられるように女がゆっくり私の方を振り向いた。
「──えっ!」
しまった。余計なことをした。近づいてくる近づいてくる。待って待って!いやいやいやいやっ!!
私を真っ黒に開いた瞳で、瞳なんてないけど睨まれながら私の耳元で女がぼそぼそと囁いた。
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