水滴

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心を、体の奥底を 全て彼に乱されたかった。 委ねたかった。 コンクリート調の寝室に入ると全てがリセットされたようで、 なんだか心地よかった。 何にも匂いのしない清潔なこの空間で、私の 右側から、。 少し、ほんの少しだ。 彼の甘い匂いがした気がした。 普段は着替えてから体を委ねるベッドにそのまま倒れ込む。 真っ白くて綺麗だ。 ひんやりとしたシーツが心地いい。 あのまま、強引に手を取られて彼の乗るタクシーに乗っけられていたら そうして入った彼のオートロック付きの重い扉がゆっくりと閉まる中 私たちは。 …
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