水滴

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直接隣に初めて居られた日、 私は彼に振られた。 それまでは 私が少し手伝っていたスナックのお客さんとして そのあとはみんなでご飯を食べに行く仲として 毎週土曜日 その決まった日をどうしてもワクワクせずにはいられなくて、 毎回できるだけ自分市場最高の見た目で挑んでいた。 彼がご飯に行こうと言った日に向けてダイエットもしたし、 自分磨きもした。 我ながら健気に一生懸命だった。 でもできるだけ自分も自然体にと、息を吸って。 ずっと二人で食事に誘えなかったのは、 彼との年の差だった。 一回り以上離れて、彼からしてももっといい人がいるという一言で 相手にするほどではなかったのだろう。 それが悲しくて。 圧倒的な何か、欲しいと思わせる何かを作りたくてもっと努力した。
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