水滴

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気づいたら半年以上経っていて、 とうとう彼を誘い出すことができたと思ったら現実はこれで。 実は、まだ連絡先も知らないのだ。 振られたあの日以来、私はスナックには行っていない。 厳密にいうともう一手も足りていたからだ。 それでも悲しかった。 ルーティンのように毎週土曜日、 彼がくる日が私にとってのご褒日だったから。 振られた後にある意味クビになったから、 あからさまみたいでなんだかモヤモヤした。 そして、もう会えないのかと なんだか胸が騒いだ。 最初から相手になんかされてなかったんだけど。 それでも、 この心の動きは無視せずにはいられなかったから。 これで終わりだ。
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