地球滅亡のCount Down

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 その夜もユカは夜空に祈りを捧げる。現れる気はしていた。予想通りに異形のものはユカの前に現れた。 「約束は守りましたよ」 「そうね。結局人は愚かだけど」 「なら君は祈りをやめるかい?」 「ううん。やめない。それとこれからは祈るだけじゃなくて声をあげようと思う」 「君ならできるだろう」  優しく笑う異形のもの。その目は悲しみに溢れている。 「あなたは、人類を滅亡させるのなんて容易いんでしょう? どうして人を生かしておくの?」 「人が好きだからだよ。人は愚かだ。だが尊い。君のような人が現れるから私は見ていたいんだ。それにね、どれほど力があろうが知恵があろうが何かを滅ぼす権利なんかないんだよ。例え、できたとしてもやってはいけない。それだけだ。これからは君が頑張ってくれ。もう力は貸さないが応援はさせてもらうよ。それを許してくれるかい」 「うん。私、少しでも人が長く生き延びられるように頑張ってみる。人が頑張んなきゃ」 「では」  異形のものは恭しく礼をして消えた。ユカは次の日から駅前に立ち戦争の悲惨さを声高に語り、少しずつ仲間を増やしていった。  愚かさを仲間で語り少しずつ世界平和を求める声を高めていく。その願いが叶うかどうかも分からない。  それでも祈る。人類の寿命を延ばすため。 「世界平和は五分で終わらせてはいけない」  そんなキャッチコピーを掲げながら。
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