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page22:文化祭②独り占めの景色
葵のクラスにつくと縁日だからか小さい子もいた。その中に大人の男が2人真剣にスーパーボールすくいの前で並ぶ。
「多くとったほうが勝ちだ」
「ええで?まぁ、結果はみえとるけどな」
「おまえの負ける結果だろうがな」
「現実を知って泣けやボケ」
口汚い罵り合いのジャブを互いにうち、2人同時にポイでボールをすくっていく。しかし、あっという間に空語のポイは敗れた。
「なんでだ!!」
「そら、そないバーンと無理やり水に突っ込んだら破けるやろ。女の子の扱いと同じで、そーっと優しゅうせなあかん。ああ、すまんなぁ?モテたことないやつにはわからんかったか」
「くうううう!なんだこいつ!」
静は何個もボールをとり、その後のゲームでも勝ち続け、結果空語の負けとなった。
「静さんすごいですね」
天が尊敬の眼差しを静に向ける。それに気を良くした静がポーズをとりながら答えた。
「俺はなんでもできる男やからなぁ」
「くそう!こいつ強いぞ!」
空語は悔しそうだが負けを認めずにいる。そんなことをしてれば目立つので、人だかりができていた。その間を通って葵が呆れた顔をしてやってくる。
「いったい何してるんですか」
「あ!安岐くん……」
天は葵に現状を話す。聞いた葵は大きなため息を吐いて天に頭を下げた。
「赤音さん。兄がご迷惑をおかけしました。後でよぉーく、言っておきます」
「なんでや葵。兄ちゃん遊んどるだけやで。こいつで」
「おい!おまえ!本当にイラつくやつだな!」
「そりゃイラつくこと言うてるからなぁ」
静は空語を煽りつつニヤニヤする。葵は、はぁとため息を再び吐いて静に話しかけた。
「とにかく、他の方に迷惑ですから出ていってください」
「ええ?まだええやん」
「出てけや」
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