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(28)教授、焦る
古びた建物がごちゃごちゃと軒を連ねる街並み。
通称「山谷」
そこには、日雇い労働者、浮浪者、訳ありの人間、バックパッカー等、
彼ら向けに格安の簡易宿泊所が立ち並んでいる。いわゆるドヤ街だ。
何となく近寄り難い雰囲気を醸し出す中、捜査員たちはとある建物へと入っていく。
「ホテル簑屋」は、この辺りにしては比較的小綺麗な建物だった。
久須野良也と白井百合花を捜して地道に目撃情報を集めた結果、この宿泊所に辿り着いた。
「若い女と中年男の、いかにも訳ありそうなカップルが泊まりに来た」
と、ホテル簑屋の主人がニヤニヤと笑いながら教えてくれた。
こうして、捜査員たちは彼らがいる404号室に踏み込んだ。
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