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「痛ててて…」
少しずつ膝が伸びていく。
「痛ててて…」
彼の足が浮いて、肩に体重が乗ってくる。
「痛ててて…」
あぁ、やっぱり無理かも…。
これ以上身体を伸ばせそうにない。
「痛ててて…」
「ちょっとあんたさ、さっきからうるさいんだけど‼︎」
「いや、悪ぃ。挟まって…」
「挟ま…」
察した私は無言でしゃがみ、彼はそっと地面に降りた。
「…」
「…」
「やっぱ、そっちが乗ってよ」
「嫌だ。無理」
この気まずい流れで跨がれる訳あるかっての…。
「ボール…取れない?」
状況が分かっていない無邪気なヒロキが眉を寄せて見つめてくる。
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