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私が彼に跨りさえすれば済む。分かってる…分かってるけど‼︎
「あ、じゃあサボテンは?」
突然の彼の提案。
「……運動会のやつ?」
サボテンというのは簡単に言うと、下の人の腿に上の人が立つ組体操の2人技である。
「そう」
「でも、あれって結局最初に肩車しなきゃいけなくない?」
「コイツらに支えて貰って、直接足乗せてくれればイケると思う」
「分かった…その前にちょっと良い?」
「何?」
「サボテンには信頼関係が必要だと思わない?」
「…まぁ、うん」
「私1年4組の芦原菫」
「俺は2年7組の桐谷祐志」
「……え、に…2年生だったん…ですね」
「良いよもう敬語とか今さら」
祐志の笑顔に何故か一瞬ドキッとしてしまう。
「じゃ、じゃあ…やってみようか」
裸足になって、祐志の腿に右足を乗せる。
ズボンで滑らない様に足はヒロキがしっかりと押さえ付けてくれている。
「オッケー。左も良いよ」
「じゃ、いくよ…せーの」
両手を体格の良いキヨトに支えて貰い、立ち上がりながら左足を乗せた。左足はタカヤが押さえてくれる。両膝の上を祐志の両手がしっかりとホールドする。
支えられたみんなの手を信用して私は身体を預けた。
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