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第4章
第4章
「お帰りよ、なんだ、あんた今日はいつもより遅いじゃないかい」
果物屋さんの旦那さんは、いつものように温かく迎えてくれた。
嗚呼、自分にも帰れる「街」があるのだな。
いつもこの街は、温かく迎えてくれるのだ。
「ええ、今日はいろいろありまして」
何とか取り繕ってはいるのだが、暗―い自分の表情は、ごまかすことができず、愛想笑いをするのが、今の和也にとってはこれが精一杯だった。
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