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ふとみんなを見ると、課長もポチも袴田もどこか面影はあるけど別人だ。隣にはいつも通りのまあが居た。いちばん変わらないのはヒロシだ。ジョニーかヒロシかわからない。
するとポチだった人が「いやあ、いつもながらヒロシさんのジョニー役は最高ッス!」と言った。「そうかな?全然似てないと思うけど」と謙遜するヒロシ。
(何言ってんだよ、瓜二つだよ!)
と全員がサイレントツッコミを入れた。
課長だった人が僕らを見て「始めまして、ヨシダです。いやあ、太一役とトテ子役はなかなか見つからなくて、ありがとうございました!」と握手を求めて来た。何のこっちゃ。
弥生ちゃんが説明する。
「あなたの想像以上に、この時代の技術はちんぽ、あ、進歩してるのよ。iは仕込まれたAIが持ち主のベストパートナーとして寄り添ってくれるだけじゃなくて、逆にわたしたちの想念に作用して感覚まで体感出来る高感度なVRの磁場を現出させる事が出来るの。さっきの「トテ子ゲーム」みたいなパブリックなものから、日常に至るまで。もしかしたら、この地下世界丸ごとそうなんじゃないか?って思うくらいに、わたしたちの想念はiを経由してわたしたちの脳に作用を及ぼしてるの。怖いくらいにね」
「そうねんなあ」とヒロシ。引っ込んでろ。
「隣のまあちゃん、良く見てごらん?」促されてまあを見ると、白い肌はそのまんま、ホクロが消えて、少しシュッとした、でも痩せ過ぎず、もっと美人になった。元妻の面影は消えていた。
「あなたのi(いつの間に奪われた?)を遮断したんだ。ほい、返すね」するとまあは見慣れた姿に戻った。
「あなたの想念がまあちゃんを別の姿に見せていたの。そうやって、みんな都合よく他人を塗替えてdisconnectして行った末、セックスをしなくなった。あなたのつまらない小説や、おっぱい出した事は目眩ましなのよ」
「弥生ちゃん、つまらないは余計だよ」
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