7人が本棚に入れています
本棚に追加
パン、パン、パパパパ、パン
一戦交えた後に弥生ちゃんが点けたテレビには、信じられない光景が映し出されていた。
時期総裁の有力候補として出馬した今回の選挙。所属政党であるチキン党を大勝させるべく、あちこち遊説に忙しかった永瀬父。山口県で撃たれた。寄るキャメラに吉村の腕の中で「ユダにやられた…」がくり、と脱力した。
吉村は怒りに震え、「親父さあーん。くそう、そげきはんを今すぐぶっ殺したいでヤンスが、親父さんの命が鮮血。ここは涙を飲んで近くの息が掛かった病院へ運ぶでヤンス。ちくしょう、ちくしょう」と、何故かカメラをちょいちょい気にしながらかなりの棒読みで喋った。
えええ?!
僕は永瀬父が首相になったタイミングで畳み掛ける為に種を蒔いて行こうと思っていたので、慌てた。
地下には遠藤とまあちゃん(ついでにヒロシ)地上に永瀬父娘、盤石な筈だった。
けれどすぐ隣の弥生ちゃんは、眉をピクリともさせず、「あ、おとうさま」と、やはり棒読みで発語したあと、「えーん、ええん、ぐすっ、しくしく」とか言いながら僕のちんこをシコシコした。
僕には何がなんだかわからなかったけど、ちんこは永瀬父の死後硬直より速く硬直した。
最初のコメントを投稿しよう!