陰核寺

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陰核寺

 部屋に入るとクリちゃんは乱雑に服を脱ぎ捨てベッドに僕を押し倒した。またあの少女のような潤んだ眼差しに荒い息遣い、そして黒い下着に大きなシミを作って淫臭を漂わせていた。  僕は冷静だった。だって、賢者タイムだったから。パンツを下ろして四つん這いに僕に覆い被さる彼女の股間にスッと手を伸ばし、YouTubeで学習した通りにその愛液で湿らせた人差し指の腹を触れるか触れないかの距離でクリちゃんのクリちゃんの下で小さな円を何度か描いた。 「んあっ!」  大きな声とともに、ブシューッ! 「またおもらしかい?いけない子だね」僕の演技は神がかっていた。チラと見た彼女のおもらしの白さにさっき太腿を伝っていた汁を思い出し、指にかかったそれを舐めてみて合点が行った。 「アンバサ、か」  クリちゃんはふるふる動けずに、「シメイにいちゃんは、何でもお見通しなんらね」と瞳を閉じた。僕はここぞと畳み掛けた。 「クリちゃん、きみは誰かの思惑通りにマウンテンデューやアンバサ、時にはC.C.レモンをアソコから吹いてるけど、もっときみが望む快楽があるんだ。若い時、みんな望まぬセックスを違和感の中繰り返して、子供作って夫婦はすれ違い、結局本当に快楽的なセックスには辿り着けなかったりする。きみの場合、子供の代わりにおもらしの呪縛がきみを演じさせ、本当の性交の成功を遠ざけて居る様に思える」そう言いながらぐったりしてるクリちゃんの膣から浣腸を引き抜いた。彼女はピクリともしなかった。 「ほらね、クリイキだと男性の射精に似た瞬間的な強い快感と共に、長い賢者タイムが訪れるんだ。中イキならもっと打ち寄せる涙みたいな快感をいつまでも味わう事が出来るんだよ」  そう言って浣腸の代わりに人差し指を第2関節まで挿入し、手首を返して上の膣壁を優しく圧迫した。 「あ、あ、あ、い、く…」  クリちゃんはそれから何度も連続して昇りつめた。 「シメイにいちゃん、スゴいんらね。若いのに、何でも知ってる、あんっ」「きみはいくつなんだい?」「48らよ、んっ」「信じないかも知れないけど、ちょいと理由アリで僕はホントは53歳なんだ。それに全部YouTubeの女をイカせるテクニックって動画を貪り視て覚えた知識で、誰かに試すのは初めてなんだ。元の世界に戻れたら、元奥さんにヤッてみたいと思ってさ。ほら、みてごらん?こんなにきみをイカせても、僕は勃たないんだ。僕は元奥さんの幻想でしか勃起出来ない性的不具者だ。元奥さんは僕のひとつ下だから、もう妊娠する事はないだろう。だから僕のこんなに強い性欲は、なんの役にも立たないで、元奥さんにも届かないままただそこらを漂うだけさ。いちばん惨めなのは僕だよ」  いつの間にか泣いていた。
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