のびる希望

1/1
前へ
/1ページ
次へ
それは小さな希望の芽のお話。 この町に花は咲かない。 なぜなら、呪いがかけられていたから。 古の戦の呪いとされ、今も封じ込められている魔王の仕業だとされている。 ある日、町に一輪の花が咲いた。 町の人は大喜びだった。ついに呪いが解けたのかと。 しかし、それも束の間、すぐに花はしおれて、枯れてしまった。 一人の少年が現れる。 少年はその花が再び咲くことを信じていた。 彼は毎日、枯れた花のそばに立ち、水を与え、声をかけ続けた。 日々が過ぎ、季節が巡り、ついにその日が来た。 枯れた花の茎から新しい芽が出てきた。 その芽は日に日に大きくなり、ついに美しい花を咲かせた。 町中に花が咲くようになった。 急に春が来たかのように、町のあちこちで花が咲く。 町の人々は驚き、そして喜び、再びその花に希望を見いだした。 少年はただ微笑み、"僕はただ、花がまた咲くことを信じていただけだよ。"と言った。 町の人々は少年に感謝し、彼を英雄と讃えた。 少年の信念が町に新たな希望をもたらし、 その希望は町の人々の心を「のびる」ように広げた。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加