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「そこの君、この眼鏡をかけてくれないか?」
「なっ、なに?どこの王子様……みたいな格好の人」
「誰かは分からないがこのガラスの眼鏡を落とした女の子を探している」
「ガラスの眼鏡のシンデレラ!?」
「私と踊っていたら12時にこの眼鏡を落として去ってしまった……」
「眼鏡落としてったのか!よく割れなかったなガラスの眼鏡!」
「昨日の昼12時のことだ」
「昼間から舞踏会してんじゃねーよ!つーか私じゃないからそれ!昨日オフィス!」
「私はあのシンデレラを探している。きっと度が合う女の子がシンデレラだ」
「言ったもん勝ちだろ!分からねーだろ度が合うか合わないか!王子様と結婚なんだろそれ!合わなくても!」
「試しに!試しにかけてみて!」
「えぇ~私裸眼族なんだけどなあ……重いなこれ。うわぁぁ!!」
「ど、どうした!?」
「あんた悪魔じゃねーか!!ガラスの眼鏡ごしだとあんた悪魔の姿なんだけど!?」
「なにぃ!?見破られた!?馬鹿な!」
「なんだこれ!?王子様の正体悪魔かよ!なんだこえぇー!」
「そんな眼鏡だったとはなぁ……クックック……まあいいや」
「まあいいやじゃないし!角と羽根生えすぎだし!こわ!」
「クックック……まあな」
「人間に化けて何を!」
「とりあえずその眼鏡は返してもらおうか」
「その昨日のシンデレラは分かっていたのか!?どうしよう」
「どうしようも何も俺は昨日の女の子を探すのだ。そして……イチャイチャする」
「イチャイチャかよ!なんだこの偽王子!お前の正体を世間にばらして……いや警察!?」
「悪魔なだけで無事故無違反だから捕まえられんわ」
「無事故無違反言うなよ!交通ルールか!」
「とりあえずな、その眼鏡返せよ」
「わかったわ……」
「じゃあな裸眼族」
ブァッ!バッサバッサ
「うわぁぁぁ!!人が飛んでいるぅー!」
「王子様みたいなのが浮いてるわあー!」
「……本気で馬鹿なのかなあいつは……」
堂々と飛ぶなよ
END
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