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走り高跳び
四継を終え、他の跳躍の選手より遅れてトラックからフィールドに移動してきた櫂人は、スポーツバッグを端に置くと、跳躍用スパイクに履き替える。
それから走り高跳びのバーの所に行くと、支柱に足を合わせ、そこからバーの右延長線上に足で長さを測っていく。
支柱から何足分と決めた場所まで来ると、地面に色テープで印を付け、そこから直角に曲がってまっすぐにまた計測する。そしてあらかじめ決めた歩数に来ると二つ目のテープを貼り、そこからさらにまた進んで三つ目のテープを貼る。そして最後に、最初のテープを剥がしてマーク完了だ。
櫂人が一足一足、ぴったりくっつけて交互に足を出し計る姿はペンギンみたいで、中学で初めて見た時は可笑しくてしかたがなかった。
「二か所マーカーを貼れるルールなんだ。だから、助走スタートの所と曲がる所に目印を貼ってる」と、櫂人があとで教えてくれた。
背面跳びは真っ直ぐに走り出し、途中でバーの方に曲がるJ字曲線の助走に変えて強く踏み切る。そしてバーに背を向けるように捻りながらバーを背に跳び越える。
円運動の助走から、遠心力を利用した跳躍へと繋げていくことで、自分の背よりも高いバーを越えることが可能になるのだ。
人によって助走の歩数も歩幅も違うので、それぞれが競技前に自分で決めた歩数を測り助走の位置をマークする。
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