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婚約破棄からの
「二十八歳で結婚が理想なんですよー。なつみ先輩が超羨ましいです!」
そう祝福してくれたカワイイ後輩に彼氏を寝取られた。
これは漫画ではなく、現実の話だ。
結婚式まで、およそ三週間を切った頃。
友人と食事して帰った夜。
繁華街のそばにあるホテル街で、婚約者の要と、その後輩がホテルから出る所を見てしまったのだ。
「……え」「あ……れ」
出口から腕を組んで出てきた二人の雰囲気は、″マッタリ″ 。
気怠さと離れがたさの入り混じった、ヤッた二人にしか出せない空気を醸し出していた。
「……どういうこと?」
私は迷わず近寄って問い詰めた。
もし、親友の心美が一緒でなければ、その場から逃げ出していたかもしれない。
それくらい動揺して声も震えていたけれど、事実から目を背けなかった。″婚約破棄″ という言葉はこの時はまだ頭には浮かんでなかったのだが……。
「もう二度となつみしか抱けないと思ったら虚しくて、つい……」
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