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告白され、流れで付き合うも、俺が女の子にフラレる理由は殆どがそれだった。
「何考えてるのかわからない」
この能面のような顔がそう感じさせるのかとも思ったが、どうやらそれだけではないらしい。俺からは、生きてる言葉も気持ちも感じないのだと言われた。
「もうさ、ゲームの中で結婚でもしたらいいんじゃないの?」
俺も、できるならそれがラクだと思った。
大学卒業後、広告会社に就職した頃にはバーチャルヒューマンも作れるようになった。それに恋したり現実逃避する暇がないほど、VRシステム開発と起業が上手く行ったのは幸運だった。
会社がなければ、俺はただのオタクにしか過ぎない。
そんな俺だから、再会するまで鈴木さんの事なんて、ほぼ忘れていたのだが――
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