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君にただ逢いたかったんだ
ここに来れば
君に逢えた
だから僕はこの道を通った
ここに来ては
君を見てた
だから君はここにいたのだろう
時間も場所も曖昧な意味を持つのに
君と逢うのがこうも容易いのは
一体なぜだろう
ここにさえ来れば
明日が見えた
だから僕はこの風を浴びた
ここにいても
未来が見えた
だから君はこの雨を浴びた
色味も歪みも君とは違うのに
僕が容易く触れられないのは
一体なぜだろう
だから僕はこう叫ぶ
君へ
閉ざして
閉ざしてみろ
閉ざして
閉ざしてみろ
閉ざして
閉ざしてみろ
そうして触れられない僕を
絶対に着床できない子宮へ繋がる
閉ざされた卵管へと衝突させてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
そうして決して触れない君が
絶対に身動きできないまま腐っていく
閉ざされた心臓へと射精をさせてみろ
ここに来れば
君に逢えた
ここに来ては
君を見てた
ここにさえ来れば
明日が見えた
ここにいても
未来が見えた
ここにいる
この意味が
君がわかってくれるだろうか
だから今
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
閉ざしてみろ
絶望的な意味は
まるで大気がごとく
浮遊しているもの
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