雨と虹の交換日記

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 雨が? 羽根くんに?  告白? 「いやいや、待ってよ」 「いやしたほうがいいよ」 「はは、え、何で?」 「絶対両思いだから」  何それ。根拠は?  笑っちゃう。何、こいつら。  雨で遊びたいだけか、結局。  いらつくなー。 「わーったよ」  でもまぁ、ここはお前らの期待に応えてやるか。  しかたがない、これも雨のためだ。  雨はこいつらと仲良くしたいんだから、きっと。 「おーい、羽根くーん」  男子のかたまりに呼びかけたら、一人だけ振り向いた。ポケットに「羽根」の刺繍がある。 「え、待って雨」 「今?」  あわてて背後の女子が立ち上がる気配がする。  あれ、今じゃなかったか?  でもま、いっか。  女子も喜ぶ、雨もきっと、喜ぶ。  きっと。  緑の刺繍。緑の羽根くん。僕は近づいていって、にっこりと笑いかけた。  羽根くんはとまどいながらも、笑い返してくれた。  あ? 意外といいやつ。買いたてのクッションみたいな笑顔。  羽根くん、初めまして。  僕は、虹です。  雨の「裏面」です。 「裏」から失礼ですが。 「僕、羽根くんのことが好きです」  そう言ったら体の内側から「雨」が引っ張ってきて、僕はがらがらと机を倒しながら床に突っ伏した。
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