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なぜか私だけ好きな子の名前を言わないのはおかしい、という話になって、ヒントは、とか、好きなタイプは、とか、質問攻めにあった。それで、頭がごちゃごちゃして、くらくらした。
私の好きな子? 誰それ? 何のこと?
羽根くん? 違うよ、羽根くんは部活の友だちだよ。
何を言っても、全然答えになっていなかったようだった。
どうしよう、どうすればいい。
友だちに嘘はつけない、でも。
嘘をつかなきゃ裏切りになる。
いや。
やだ。
無理!
その瞬間目をつぶった。そして、それから、目を開いたら、保健室で寝ていた。というわけ。
その間、何が起きていたか、私にはもう想像がついている。
多分「虹」が、出てきてくれたのだろう。
その夜、友だちからお見舞いのメッセージが届いた。
ねー雨大丈夫?
羽根くんも心配してたよー
てかやっぱり羽根くんだったかー
まさか告白するとはね!
応援するよ!
私も
私も
こうなったらクラスみんなで応援しよー!
「ああ、もう……」
うまい返事が返せそうになくて、「ありがとう」だけ伝えてスマホを閉じた。
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