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心の支え
俺は勝手に恋して、勝手に失恋をしてしまった。
それでも俺は諦めきれていないのか、静かな居心地が良いのか、変わらず図書室で休憩をしている。
勿論、花が図書委員として仕事している日に。
もうこれからはずっと変わらずな日々を過ごすのか…と思っていたが……突然変化は起きた。
とある日に図書室に伺った際、ほぼ確実に受付に花がいるのに、その日は誰もいなかった。
(おかしい…。)
図書室ががらんとしていた。
でも一つ、おかしな場所があった。
図書室の端にある図書準備室の扉が微かに開いていたのだ。
「清水?いるのか?」と言って入ると、室内にあった椅子に座って泣いていた花の姿が。
いつもの三つ編みがほどけた状態になり、眼鏡も掛けていなかった。
「花!?どうした!どっか怪我でもしたのか!?」
と直ぐに花の目の前にひざまずく尚人。
花自身は特に怪我をした様子は無さそうだ。
じゃあ一体…。
「……しちゃった。」
「え?どうした?」
「……昨日河原君に告白したの……ずっと好きだったけど……失恋しちゃったの。」
「……そうか。それは…残念だな。」
「……そしたら今日聞いちゃったんだ…。
河原君が友達と話していたのを……あの根暗でブスな図書委員に告られちゃって、俺も落ちぶれたもんだなって……笑いながら言ってた。
でも本当の事だから仕方ないよね…。」
悲しみながらも、ハハハって無理やり笑おうとする花の姿…。
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