ライブラリー 大切な君といた優しい時間

延長戦

2人が急接近になってからは尚人も図書室の出入りが多くなっていき、休憩場所と言うより、花と関わる為に来ている様なものだった。

そして花はあの失恋から髪型を変え、三つ編みから大胆にもハンサムショートにし、少々垢抜けた状態になったが、雰囲気が変わった事がきっかけで周りの男子が気になりだしたことで、尚人が落ち着かなくなったのは言うまでもない。

そんな花以外の一部の図書委員は二人が付き合っているみたいな状態が密かに話題となっていた。
だが、その事について聞かれると、尚人は「秘密。」と答えて曖昧にした。
でも実際にはまだ、関係を壊したくない想いで友達のままだったのだから。

そして受験シーズン到来で、花の図書委員の仕事は他の下級生にお願いし、図書室で勉強するようになったが、その近くにはいつも尚人の存在がいた。
受験も近くなってからは友達と遊ぶ事も少なくなり、花と一緒にいる時間が多くなったが、尚人は花以上に必死で勉強に集中している。
でもそれは、偶々お互いが同じ大学を受ける事を知ったのも影響あり、勉強を教え合っては励まし合いながらも努力の甲斐もあってか、二人は合格という最高の結果を残した。