延長戦

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そして卒業式…。 式が終わった後に待ち合わせた。 そう…いつものあの場所に。 花は図書室で待っていると、少し遅れた尚人が息を切らして来た。 「遅くなってごめん!友達に捕まってて。」 「良いよ。大丈夫?わざわざ走ってこなくても。」 少し落ち着いてから尚人は、花と向き合って見つめた。 「花…。改めて卒業おめでとう!」 「阿久津君こそ、卒業おめでとうございます。」 お互い祝賀の言葉を伝えると、少し緊張した状態で尚人の口が開く。 「花…。今日から友達をやめてもいいか?」 「え?やめるって?」 「これからはお互い大学一緒になるんだ。 それだけじゃない…。 俺は花の事がずっと好きだ。 花とずっと一緒に関わっていきたいんだ。 ここで出会ってから一緒にいる時間を途切れたくない。 沢山思い出作って、楽しく過ごしたいんだ。 だから俺と付き合って下さい!」 手を伸ばし、お辞儀をしながら返事を待つ尚人。 すると、掌が掌と合わさって、水滴が落ちてきた。 尚人が顔を上げると涙を流した花の姿がそこにいた。 「あ…ごめん。泣かせるつもりじゃ…。」と慌てた尚人だったが…。 「私で良ければ…宜しくね…。尚人君…。」 その瞬間、尚人は花を強く抱きしめていた…。 そして気づけば、尚人からキスされていた花。 キスが終わると、尚人はとびっきりの笑顔を花に向けた…。 「これから宜しくな、花!大好きだ!」 「よ……こちらこそ…尚人君。」 花は照れながらも、尚人にしか出来ない素敵な笑顔で輝いていた。 この図書室から生まれた絆…。 この2人の絆はこれからも途切れることなく、時が延びれば延びる程、その絆も強くなっていった。
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