お前で我慢する

「マサ、気持ちよかったな！」
「タカ、ヤダって言ったらやめろよ」
「セックス中の『ヤダ』とか『ダメ』は『もっと』って意味だって佐藤くんが言ってた」
「佐藤に言っとけ！　『ヤダ』と『ダメ』は『ヤダ』と『ダメ』だってな！」

　会ったこともない佐藤にイラッとした。

「良かったね。この経験がなければマサもそれに気付けなかっただろ？」
「……タカも2度とすんなよ」
「分かった、ちゃんと止まるね」

　そう言いながらもタカはローションで指を濡らし、俺の尻に塗りたくり始めた。

「ちょっと待て！」
「うん、大丈夫大丈夫。指1本挿れたら止まるから」
「は？　やめ……」

　言い終わるより早く指先が入ってきて身体が強張る。

「力抜けよ」
「無理だって」

　入ってきてるのに、どうやったら力抜けるんだよ。一旦抜かれて、安堵の息を吐く。安心している間に身体をひっくり返されて、うつ伏せにされた。腰を掴まれて尻だけを高く上げて突き出すような格好にされる。死ぬほど恥ずかしい。
　ローションまみれの穴に、生温かいものが触れた。ピチャピチャと水音を響かせるそれに目を見開く。

「タカ、何して……」

　顔だけ振り返ると、タカが俺の尻に顔を埋めていた。穴に触れているものが舌だと気付いて固まった。
　舌を尖らせて侵入しようとしてくるところで止める。

「待って！　そんなとこ、あっ、舐めんな」
「何で？　全身舐めて気持ち良くするって約束したろ？　綺麗に洗ったならいいじゃん。マサは自分が気持ち良くなることだけ考えてればいいんだよ」

　綺麗に洗ったけど、さすがにそんなとこ舐められると思ってなかったから羞恥でどうにかなりそうだった。
　表面を舐められるとゾクゾクと全身を快感が襲う。耐えるようにシーツを掴んで枕に顔を埋めた。

「やっぱり顔が見えねーと楽しくないな」

　すぐに仰向けにされ、顔を隠していた枕は腰の下に敷かれた。
　タカに手を掴まれ、膝裏に手を誘導された。自分で膝を抱えるような格好になり恥ずかしくてたまらない。