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 その日の夕方、待ち合わせの場所に彼女は精一杯めかし込んで現れた。  ポニーテールに結んだ彼女の美しい黒髪が肩の辺りで揺れる。  僕が彼女に見惚れていると、 「あれ、髪型変えた?」  と言って、僕の頭の辺りをマジマジと見つめた。 「え?」  彼女の言葉に驚いて、僕は自分の頭に手をやった。  伸ばした僕の手には……  長く伸びた黒い髪の毛が纏わりついた。 「!!!」  続く
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