Chap.7

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サナの体が回復し、記憶以外に問題が無いと診断が下され、とうとう退院の日がやってきた。 「シグレさんも、来てくれたの?」 まだ慣れない、サナの「シグレさん」呼びに、顔を歪ませながらも「あぁ」と答え、シュウを見る。 「とりあえず、俺が泊まってるホテルに、サナを連れてく事にした」 「シュウ」 「サナの希望なんだ」 シュウはサナが入院中、サナには付き合ってる人がいるんだって事を、何度か伝えたらしい。 けど、決まってサナは「私が迷惑だから言ってるの?」と、返してくるらしく、サナに悲しい思いにさせたくなくて、シュウも言わなくなった。 その結果が、これか? サナは、タクマのだろ。 タクマの家に居て、タクマに抱きしめられれば、そのうちサナだって…。 そう思うのは、俺のエゴか?わがままか? 「手ぇ出すなよ」 「シグレに、それを言う権利があんのか?」 「シュウっ!」 「俺の気持ちを受け入れるか、決めるのはサナだ」 「シグレ、俺は何度もサナに、神代 匠真の事は話したぞ」 念を押すように言って、シュウはサナを連れて、病室を出て行った。
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