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さすがにシュウが、また育休を取るのは難しく、代わりに俺が育休を取ってサナをサポートした。
社内では”あの鬼軍曹が育休を取った”なんて、少し騒ぎになったらしいが、周りにどう思われてもいい。
子供達の世話っていうのもあったが、記憶を取り戻したサナの事が、一番気がかりだった。
記憶を無くしてた頃は、普通に眠れてたサナも、全て思い出した今、再び睡眠障害になり、俺はタクマの母親に連絡を取り、タクマのコロンを手に入れた。
やっぱ、あの時。
無理やりにでも、サナにタクマの匂いを嗅がせていれば、今の状況は変わっていたんじゃないかと、思わずにはいられなかった。
それでも、サナもシュウも変わりなく、上手くやっていってるもんだと思っていた。
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リナが2歳になって、すぐくらいに、以前から話が進んでいた、東京移転が決まり、俺達は揃って東京へ戻ってきた。
バタバタとした毎日が一段落し、俺は久々に親友に連絡を取った。
「飯でも食わねぇ?」
アイツは自分の誕生日すら、忘れてるようだった。
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