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Chap.8
シュウの爆弾発言を、俺は認めるわけにはいかない。
「サナが言い出したならいいが、シュウが言うのは許さない」
「なんで、シグレに許可を貰わないといけない?俺とサナの問題だろ」
話しても、俺達は平行線のままだった。
「いい加減にしろ、ここは会社だぞ?仕事しろ」
「はぁ?シュウがワケ分かんねぇ事言ってるから、こうなるんだろうがっ」
毎回、同じ遣り取りで、俺達の苛立ちはマックスだった。
「タクマは、一生添い遂げる覚悟で、サナと付き合ってたけどなっ」
「だから、その神代に返すって、言ってんだよっ」
「あ?返す、だ?」
「サナだって、俺より神代といたいんだろ?だから返してやるって言ってんだよ」
「サナは、”物”か?なぁ?子供達の事は、どう考えてんだよっ。はなっからタクマに返す気だったら、子供なんて作ってんじゃねぇよっ。マコトとリナが可哀想だ」
タクマなら、サナが子連れでも、喜んで受け入れるだろう。
でも、サナは、きっと…。
タクマの元へは行かない、そんな気がする。
なにより、親に振り回される、マコトとリナの身になれっつうんだ。
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