68人が本棚に入れています
本棚に追加
<Shuu>
大丈夫だと思ってたんだ。
夫婦になって、子供も2人恵まれて。
けど、記憶が戻ってからのサナが、無理をしてるんじゃないかって、そればかりが気になっていた。
そしてシグレが用意した”アレ”。
あの日、シグレの先輩の店で嗅いだ匂いと同じ匂い、…神代 匠真の匂い。
サナは、それを布団に振り掛けないと、眠れないらしく、部屋が神代の匂いで満たされていく。
それでも、サナが眠れるんならと、俺はガマンした。が、やはり辛くて寝室を分ける事にした。
たぶん、あの頃から俺は怖かったんだ。
サナが、いつ別れを切り出してくるか、子供達と一緒に神代の元へ行くんじゃないか。
…サナが、いつ俺に愛想を尽かすのか…怖くて仕方なかった。
だから、言われる前に、自分から…。
あとは…サナの反応を確かめたかったのかもしれない。
本当に最低な事をしていて、自分でも引くレベルだ。
それでも、俺はサナを愛してる。それだけは真実なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!