Chap.8

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職場の情報で、有村さんの告別式が終わった事を知った。 うちの会社からも、上の人間が数人、参列したらしいと聞いた。 私は大崎に、連絡を入れてないままだった。 私に手伝って欲しい事があれば、大崎から連絡をしてくるはず。 有村さんの事を、私に言う必要があれば、大崎から……。 それが無いって事は、私は必要ないし、知らなくていい事なんだと、解釈した。 分かってた事じゃん、なのに私は、何を期待してたんだろう。 サナさんが子供を産んだ事すら、大崎から直接連絡は来なかった。 私が知れたのは、大崎が神代宛だと思えるメールを、櫻井さんが転送してきてくれたから。 それが無ければ、私は今でも、サナさんが子供を産んだ事すら、知らないままだった。 大崎達が拠点を東京にした事を知ったのは、職場の情報。 私には、大崎から知らされる事も、連絡が来る事も無かった。 ”会わない”イコール”別れ”だという事は、あの日、理解してたはずなのに。 「バカ大崎。……会いたいよっ」
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