Chap.8

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今まで1度も参加した事の無い、同窓会。 そこに今回、私は参加した。 もしかしたら、大崎が来るかもしれない。 大崎は来なくても、神代か神代さん…今は、もう田村さんか。 誰かしら来てるかもしない、そうすれば情報が入るかも、なんて可能性が低い事だと分かっていても、じっとしていられなかった。 会場内を隈なく見回す、けど、私が会いたかった人達は、誰1人として参加していなかった。 そして、大崎の情報を持ってる人間も、いなかった。 帰ろっかな…、ここに居ても、ムダな時間を過ごすだけだし。 でも帰ったって、何をするワケでもない、ムダなのは、ここに居ても帰っても同じ事だ。 帰るタイミングを逃し、そのまま二次会へ行く流れに入りこんでしまい、会費の元くらい取ってやろうと開き直ってきた頃。 勢いよく入ってきた男…もとい、神代。 誰かを探す仕草をし、私と目が合うと、真っすぐ私の元へ来て。 「頼む、一緒に来てくれ」 「は?なんで神代と…サナさん?サナさんに何かっ」 「サナは何とも、…ない。けど、サナが雪村を呼んでる。だから、頼む」 神代が私に、頭を下げた。
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