Chap.8

17/30
前へ
/250ページ
次へ
カバンから、お財布を取りだして、病室を出ようとした時。 白衣を着た、中年の男性が入ってきた。 「シグレ、どうだ?…っと、邪魔しちゃったか?」 「全然」 「シグレにも、ちゃんとした人がいたのか、何だよ水臭いじゃん」 「そういうんじゃねぇよ」 「なんか雰囲気が、スミレさんっぽいな」 スミレさん?誰…? 「あの、私、買い物に…失礼します」 私って、結局、大崎の事あんまり知らないんだ。 あの白衣の人とは、知り合いぽかったけど、誰なのか聞いた事ないし。 なんで病院に知り合いがいるのかだって、知らない。 「あれ?アンナさんっ、どこ行くんですか?シーくん起きてます?」 「うん、今、お医者さん?きて…」 「あー、ヒロくんかな?シーくんの事、名前で呼んでました?」 「うん」 「じゃっ、ヒロくんだ。ここの病院の理事長さん、有村 宏」 え、…有村? そういえば、ここ。…有村メディカルセンター。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加