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カバンから、お財布を取りだして、病室を出ようとした時。
白衣を着た、中年の男性が入ってきた。
「シグレ、どうだ?…っと、邪魔しちゃったか?」
「全然」
「シグレにも、ちゃんとした人がいたのか、何だよ水臭いじゃん」
「そういうんじゃねぇよ」
「なんか雰囲気が、スミレさんっぽいな」
スミレさん?誰…?
「あの、私、買い物に…失礼します」
私って、結局、大崎の事あんまり知らないんだ。
あの白衣の人とは、知り合いぽかったけど、誰なのか聞いた事ないし。
なんで病院に知り合いがいるのかだって、知らない。
「あれ?アンナさんっ、どこ行くんですか?シーくん起きてます?」
「うん、今、お医者さん?きて…」
「あー、ヒロくんかな?シーくんの事、名前で呼んでました?」
「うん」
「じゃっ、ヒロくんだ。ここの病院の理事長さん、有村 宏」
え、…有村?
そういえば、ここ。…有村メディカルセンター。
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