Chap.8

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じゃあ、大崎のお母さんが、入院してた病院? 「で、アンナさん、どこ行くんですか?」 「あっ、大崎にコーヒー頼まれて」 「え?まだ、そんなの飲んじゃ、ダメじゃないかな?」 「え?」 確かに、言われてみれば術後間もないのに、コーヒーなんて体に良くないよね? 「アンナさん、来てくれてありがとうございます」 「サナさん…」 「なんか私テンパっちゃって、大事な人が傍にいれば助かるって、…私が、そうだったから。あっ、記憶喪失でしたけどねっ」 サナさんは、そう言って舌をペロっとだした。 そうか、サナさんが目を覚ました時、神代はサナさんの傍を離れなかったって、大崎が言ってたっけ。 でも、私は……。 「シーくん、これから大変だと思うんです」 「え、」 「体治ったら、会社の事あるし…。たぶんシーくんが社長になるから」 「大崎が?」 そこまでは、思いつかなかった。というより、大崎の会社でのポジションなんて知らなかった。
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