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母さんが息を引き取って、すぐに病院に現れたのは。
父親の仕事仲間だという、厳つい顔をした男だった。
「立花 仁だ、時雨だろ?」
何で初めて会ったのに、俺の名前なんて知ってんだよ。
父親の仕事仲間って事は、この男も”アレ”か。
「この後のことは、こっちで全部やるから、時雨は一旦家に帰って身の回りのもん支度しとけ」
「・・・は?」
一旦って何だよ。
支度って何だよ。
こいつ、何言ってんだよ。
「今日から、親父んとこで暮らす事になってる、時雨はまだ学生だからな、1人にはしておけないだろ」
「いい。俺は今までの所で」
「ムリなんだよ、分かってくれ。頼むっ」
大の大人が、俺なんかに頭を下げた。
だから。
「分かった、けど俺は”大崎”のままでいく」
「それでいい」男は、安心した表情で頷いた。
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