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俺が何で、こんな事を身につけたかったのか。
それは、俺の家だ。
修行という名のリンチを、俺は家に来てから受けていた。
俺の親父は、関東で大きなヤクザの組長をしている。
そこは代々継がれてきた家。
親父には正妻がいて息子もいる。
俺は所謂、愛人の子供。
俺の存在が面白くない人間は、ごまんといる。
ただ、いくら外子だろうと、組長の息子である俺に、無闇矢鱈に手をあげるわけにはいかない。
そこで考えたのが、修行だの特訓だのという事だった。
ただし、中身はただのリンチ。
大の大人が複数でかかってきて、暴力を振るう。
しかも皆、ヤクザの組員だ。
それなりの、ケンカの経験をしてきた人間達。
ケンカなんかと無縁の生活を送ってた俺には、防御の取り方だって分からず、ただ殴られ蹴られるだけだった。
俺は組とは関係なく生きていく。
これは、引き取られた日に親父に、はっきり言った言葉だ。
親父も、この事は納得していた。
けど組員には、そんな事は関係ない。
お家騒動の元になる可能性がある人間は、排除したいのだろう。
俺にだって、男としてのプライドってもんがある。
やられっぱなしなんて御免だ。
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