Chap.1

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学校でなら寝れる、1人でゆっくりできる、誰からも何もされなくて済む 机に突っ伏そうとした時、隣の女ーー雪村が教科書を俺の机の方に寄せてきた。 なんのつもりだ、と言わんばかりに顔を上げると 「まだ無いでしょ、迷惑なら見なくてもいいから」 前を向いたまま、そう答えた 「寝るから、いい」 「あっそ」 そう言いながらも雪村は、教科書を引っ込めることはしなかった。 だから俺は机に突っ伏しながらも、横を向き教科書を眺めていた。 この状態は1週間ほど続く。 教科書は、もう手元にあったけど出さなかった けれど雪村は何も言わず、毎日毎授業教科書を寄せてきた。
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