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「遊び人、暴走族のメンバー、不真面目」
「え?」
「だからっ、神代。自分が聞いてきたんでしょ」
「あ、ありがと」
雪村を見ながら礼を言うと、雪村は慌てて俺から視線を、黒板に向けて「どう、いたしまして」と言った
暴走族か…
やっぱり俺の家目当てって事か
だったら俺も利用させてもらおう、そう思った
「携帯、持ってないの?」
「あぁ」
「不便じゃないの?」
「別に」
そう言ってから、アイツ等の顔が浮かんだ。
今は不便か…シュウは携帯を持ってるから、俺が携帯を持ってれば、いつでもシュウに掛けて、サナと話せるかもな、なんて考えた。
サナ元気かな、泣いてないかな、ちゃんと食ってるかな。
シュウが居るから大丈夫か…なんて思うと、少し胸が苦しくなって背中がスースーした。
良くサナをおぶってたから、背中がサナの温もりを思い出す。
「シーくんの背中は、大きくて温かいねっ」ぴったり俺の背中にくっついて、そう言った直後には爆睡してたっけな。
サナは、どこでもすぐに眠る子だった
入院してる母さんのベッドに入り込んで寝てる事も、よくあった。
「え、なに?」
「あー、思い出し笑い。気持ち悪かった?」
「べっ、別にっ」
サナを思い出した顔のまま雪村を見ると、雪村にすぐに顔を逸らされてしまった。
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