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「雪村っ、授業中だぞっ」ちょうど黒板から向き直った教師が、雪村だけを注意し雪村は素直に「すみません」と返事を返した。
「俺は?」
「えっ」
「俺も話してた、なのに雪村だけ注意受けるってフェアじゃない」
「そ、そ、そうか、じゃ大崎も授業中は静かにしてくれな」
「すみません」
なんだよ、これ。
まぁ今に始まった事じゃない、前の学校でも教師は俺と関わろうとしなかったから。
学校で注意受けたからって、家で話すかよっ。
ましてや、それで家の人間が、文句言いにくるワケないだろ、小学生じゃあるまいし。
それでも”一般人”からしたら、俺の家とは関わりたくないらしく、必要最低限の事しか言ってこない。
教師だって”注意”ではなく何故か”お願い”口調だ。
そんだけ俺の家は、特殊で煙たいモノなんだろう。
「ありがとう」
「は?」
「さっき、授業中」
授業が終わって雪村が礼を言ってきた。
「あー、だって事実じゃん」
「そうだけど、ありがと」
基本、無表情な事が多い雪村が、照れ笑いを浮かべた。
そんな雪村を、俺は素直に可愛いって思った。
クールビューティで人と群れない、近寄りがたいって陰で言われてる雪村。
でも雪村は、この学校で1番最初に、俺に普通に話し掛けてきたヤツだ。
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