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「なんですか、羽菜さんからのお仕事いやですか?」
「出来ることならあまり受けたくはねぇな、俺やお前の事をあまり世間に露見させるのも考えものなんだよ」
「それは、そうかもしれませんけど…」
そう、私達が何でも屋をやっているのはいくつかの理由がある。
姿を公にしないというのもその理由の一つで、私にしろマスターにしろこうして表舞台に出ない仕事を選んでいる。
個人の邸宅やファミレスの臨時バイトなどもその一環で、表に出ないからこそ安心できるというのがありました。
しかし三枝グループの次期総帥ともなれば案件も大きいですが、影響もきっと大きくなります。
そのリスクを考えたらマスターが慎重になるのも分かるんです。
「でもやっぱり、私は受けたいです」
「この前の護衛の依頼とは違うかもしれねぇんだぞ?」
「はい、それでもです。だって羽菜さんが頼ってきてくれたんですから」
それはきっと彼女だけでは解決できない、それか何らかの縛りがある難しい案件です。
だから私達を頼った、それがきっと解決への道しるべだと思ってくれたから、それなら私はそれを無下にはしたくありません。
「……まぁ聞くだけなら聞いてやる」
「ありがとうございます、マスター」
なんだかんだ言っていつものようにマスターが折れる形で決着しました。
私はそれを確認した後、スマホの通話をスピーカーに切り替えます。
さぁどんな依頼が待っているのでしょうか?
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