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「お久しぶりです、結乃さん」
「お久しぶりです、三枝さん、また何かあったりしたのですか?」
「はい、少し問題が起きました。ホログラムモードに変えても問題はありませんか?」
「大丈夫です、藍野も喜ぶでしょうし」
そう言うとマスターは私のスマホをテーブルに置く。
するとそこから羽菜さんの全身が映し出されました。
なんでも最新鋭のスマホに搭載された新たな機能がこの「ホログラムモード」のようです。
ビデオ通話よりも身近な会話感を出すために搭載されたのだとかなんだとか。
「藍野さん、結乃さん、唐突で申し訳ないのですが力を貸してもらえませんか?」
「それは依頼という事で考えてもいいですか?」
「はい、そのように受け取ってもらって構いません結乃さん。なるべく早めに解決したい問題なのです」
そう言う羽菜さんの顔は少しだけ愁いを帯びている。
三枝グループは一枚岩ではなく、内部で派閥争いもあった。
そして羽菜さんもそれに巻き込まれたりもした。
それからしばらく経ちますけど、またそれ関係なのでしょうか?
もしくはアンドロイドと半生を共にしている羽菜さんの事ですし、アンドロイドに関する何かがあったのでしょうか?
「結乃さん、アンドロイドの回収が行われていないのはご存じですか?」
「えぇ、それは知ってます。最近行方不明のアンドロイドが多いとか」
「はい、依頼したいことはその事なんです」
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