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「お待たせしました。グリルハンバーグ3人前とセットのライス。それから鶏ささみのサラダと白身魚のパン粉焼きになります」
三人でいろいろ考えていたらやたらと注文が多くなってしまい、テーブルの上にはずらりと料理が並べられることになった。
他にもドリンクバーの飲み物やスープもあって少し整理しておかないと相席になった時に迷惑だ。
飲み終えた分のコップを端に寄せてから料理をそれぞれの前に分ける。
鶏ささみサラダは東雲の、白身魚は伊吹の前に、残りのハンバーグセットは一人前ずつ目前に置いて、相席の人が座れるように席を確保しておく。
「お、サンキュー蓮。助かるぜ」
「いいよこのくらいは、それよりこの後はどうするの?」
「あぁ、爺さんがデイリーマンション借りたらしくてな。そこを拠点にしようかと思ってるよ」
「よく借りれたね、一応漫喫も候補にいれてたんだけど」
「それいったら爺さんにどやされてな、ちゃんとした所借りてやるからそこにしろって言われたよ」
思わず苦笑してしまう、伊吹もお爺さんとは上手くやってるみたいだ。
伊吹のお爺さんは伊吹の霊が見える能力を知って預かってくれる人だ。
その力のせいで普通とは違う人生を送った伊吹を救って、その後も泊まり込んでいるらしい。
だからか、伊吹とお爺さんが仲がいい事がなんとなく嬉しかった。
その感傷に浸っているともう一度店員さんがやってきた。
「すみません、相席の件ですけどよろしいでしょうか?」
「はい大丈夫です、場所も開けましたし何時でもいいですよ」
「すみませんありがとうございます、ではお連れしますね」
そう言うと入り口まで店員さんが歩いていきその人を連れてきた。
そして僕たちは現れた人にみんなして驚きが隠せなかった。
「ーーー相席ありがとうございます、私藍野と言います」
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